科学ADV

澪標

「映画を――観たよ」
 ただそれだけのことを言うのに、舌が鉛のように重い。神成は床に視線を落とした。
「初めて会ったときに言ってた、ヴィンチャーの。レンタル屋で見つけて借りたんだ」