三住椎弥

櫻にカナリヤ

【中編】
桜原皓汰、二十九歳。都会にぽつりと残った古い家で父と二人暮らし。
このまま、なんとなく滅んでいくのだと思っていた。家も、親父も、俺も。
そんなある日、父の応援する選手が引退会見で婚約を発表。お相手はどうも――皓汰!?
嘘だらけで、とても優しい、苦しまぎれの愛の唄。

渇仰

八月。全国の球児が沸く季節。この大切な時季に『違和感』なんて低レベルな嘘がまかり通るほどには椎弥はチームに貢献しているし、練習を放り出しても構わないほどに妹と幼なじみが大事だった。