千々ノ一夜迄
「『しんど百物語』、やってみませんか?」
またおかしなことを言い出した。雅伸は眉をひそめて、隣に寝転ぶ女を見る。紺野未紅はベッドにうつ伏せになって、膝から下をぱたぱたと動かしている。
短編 高葉ヶ丘桜原朔夜,相模雅伸,紺野未紅,高葉ヶ丘
赤を囲う
【中編】
その日、兄が飛び降りた。理由は知らない。
感性。出生。性愛。外見。疾病。「普通」でない人たちが自分の色と在り様を見つけていく短編集。
短編 高葉ヶ丘三住椎弥,三住茗香,井沢徹平,新田侑志,桜原朔夜,桜原皓汰,相模雅伸,短編集,紺野未紅,高葉ヶ丘
渇仰
八月。全国の球児が沸く季節。この大切な時季に『違和感』なんて低レベルな嘘がまかり通るほどには椎弥はチームに貢献しているし、練習を放り出しても構わないほどに妹と幼なじみが大事だった。
短編 高葉ヶ丘三住椎弥,井沢徹平,高葉ヶ丘
写真
「朔夜さんって写真撮らないよね」
君はスマートフォンを私に向けて呟いた。陽光にきらめく海から視線を外し、私はレンズではなく君の目を見る。
短編 高葉ヶ丘新田侑志,桜原朔夜,高葉ヶ丘
太陽の在り処
藍色の雨空を海のようだと美映子は思う。天地が引っくり返って、逆さまの海から水がこぼれている。それはとても不自然な在り方で美映子はいつも不安になる。
短編 高葉ヶ丘桜原太陽,藤谷美映子,高葉ヶ丘
パンクした重い自転車
雅伸は必ず制服でそこに行く。時間に余裕があっても着替えては行かない。私服で行ったらその服にケチがつきそうな気がしている。気分的な問題だ。
短編 高葉ヶ丘相模雅伸,高葉ヶ丘
最終話 Near Evergreen
周りが未来を見据える中、朔夜は自分だけ進路を決められないことに焦る。
「君はちゃんと、一人で夢を見ているの? 見ていく強さを持っているの?」
永遠の名を冠した緑の、最後の種明かし。
Evergreen 長編新田侑志,桜原朔夜,桜原皓汰,辻本柚葉,高葉ヶ丘
16話 The Reliever
皓汰の様子が最近おかしい。って、「修学旅行」? お泊まり会in桜原家!?
好きとかキスとか。血とか無知とか。俺たちは次の季節へ向けて変わり始めているんだ。
Evergreen 長編新田侑志,桜原朔夜,桜原皓汰,高葉ヶ丘
15話 Never Never Never Surrender
大きな危機を乗り越えつい浮つく侑志。その裏で、深い闇が八名川を捉えようとしていた。
――奪うならオレを奪え。絶対に、オレ以外を奪ったりさせない。
Evergreen 長編八名川為一,坂野輝旭,新田侑志,早瀬怜二,桜原太陽,高葉ヶ丘
14話 Faker’s Foolish Fest.
朔夜のある決断により野球部は絶望的な不和に陥る。侑志の選択もまた糸を複雑に絡めていく。
嘘つきたちのすれ違いは、祭の熱の中で収束へ向かう。
Evergreen 長編坂野輝旭,新田侑志,桜原朔夜,桜原皓汰,辻本柚葉,高葉ヶ丘
13話 My Buddy,My Blood
突然OBチームと試合をすることになった現役生たち。それぞれの夏を終わらせるために、それぞれがグラウンドに立つ。
一方朔夜は、自らに流れる逃れられない血を自覚し始めていた。
Evergreen 長編新田侑志,桜原太陽,桜原朔夜,桜原皓汰,高葉ヶ丘
12話 Thirty Pieces of Sunset
「気を紛らわすのに、野球はちょうどよかったんだ」
置いてきた弱さからは逃げきれない。少年も、男たちも、彼女たちと向き合う時が来た。
Evergreen 長編三住茗香,井沢徹平,新田侑志,桜原太陽,相模雅伸,高葉ヶ丘