人よ、其の騎士たれ。乙女よ、其の贄たれ。娘よ、其の太陽たれ。
「君はただの一兵士じゃない。僕の大切な家族だ」
「もったいなき御言葉です。平素ならば謹んで頂戴いたしましょうが……」
ナンナはリーフの眼光を真正面から弾き返した。
「これは謙遜でも遠慮でもございません――諫言です。前線にお戻りください、リーフ様」
FE ユグドラルナンナ,フィン,リーフ,聖戦の系譜
「手を貸して」(台詞お題)
戦場の只中で、少女は声を張り上げる。
リーフたちレンスター勢が、セリス率いる解放軍と合流して、まだ日も浅い。
にもかかわらず、ナンナは早くも衛生兵を率いる一隊長としての任にあたっていた。
FE ユグドラルナンナ,リーフ,聖戦の系譜
覚悟の色
「ダメだぁ、見つからないよナンナ」
リーフ少年が愚痴をこぼすと、いくつか年下のあどけない少女・ナンナが、大人ぶった口調で返す。
「だってリーフさま、下ばかり見てらっしゃるのですもの」
「キノコは地面の暗いところに生えるんでしょう?」
「木のみきだって、生えますわ。……ほら、見つけた」
FE ユグドラルトラキア776,ナンナ,リーフ
王でなかったもの
ナンナがあからさまに不機嫌になった理由には、フィンも心当たりがある。
「分別のある娘で助かっている」
「当たり前でしょう。リーフ様の御耳に入れるほど、私軽率じゃありません」
FE ユグドラルトラキア776,ナンナ,フィン