フィン

人よ、其の騎士たれ。乙女よ、其の贄たれ。娘よ、其の太陽たれ。

「君はただの一兵士じゃない。僕の大切な家族だ」
「もったいなき御言葉です。平素ならば謹んで頂戴いたしましょうが……」
ナンナはリーフの眼光を真正面から弾き返した。
「これは謙遜でも遠慮でもございません――諫言です。前線にお戻りください、リーフ様」