ロスト・アクトレス
2017年9月。渋谷にもまた、例の季節がやってくる。
神成は久野里を、拓巳拓巳は梨深を……二人の男は楠優愛の協力を受けながら、消えた女たちの足取りを追う。
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及び腰の残影
「三住は全然変わらねーなぁ」
「いやー、変わったろ? よりいい男になったっつーか」
「はっは、ウゼー」
高校卒業から十年。同期との会話のテンポは、確かに高校の頃と変わらなかった。
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翠雨の頃
「座って何か飲んだらちょっとは落ち着くよね。タクが行きたいカフェってどっち?」
「か、カフェっていうかコラボカフェ、レコード屋と併設の……何でそんなオタクと対極のとこでやるんだよ、馬鹿なの死ぬの!? 限定描き下ろしグッズの星来があんなに神ってなければこんなとこ来なかった!!」
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第三夜
病院は嫌いだ。何度訪れても慣れることがない。諏訪護はこの清潔すぎるハコの中で、薬品の臭いに眉をひそめる。
「あら。おかえりなさい、護」
「ただいま、志乃」
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廻るペルソナ
二〇〇九年九月、残暑も厳しいある夜のこと。
警視庁捜査一課の神成は、上司である警部補・判安二に『暑気払いに飲みに行こう』と声をかけられた。あの判安二に、だ。
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本日の主役
「タク、お誕生日おめでとー!」
バカみたいな円錐からバカみたいな紐が飛び出る。拓巳は眉をひそめて、自分の髪に引っかかった紙くずを払いのける。
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混沌の先達たちから
「はぁ!? この状況でCLとかハナカツヲマジどんだけ劣悪な環境でインして来てんだよ! エンスーは遊びじゃないんだぞ!?」
僕の名前は西條拓巳。職業は自宅警備員。
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ディスコネクト・トリガー
渋谷の街はどこもかしこも崩壊しているように見えた。
西條拓巳は咲畑梨深に手を引かれ、青空の下、瓦礫だらけの『町だった場所』を、漫然と歩いている。
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ミッシング・リム
「大輔。やっぱり西條、どこにもいねぇって」
「そか。あんがとな」
三住大輔は、情報を集めて来てくれた友人たちに、いつものように白い歯を見せて笑いかけた。
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片手の行き先
判安二は、雑居ビル内の金属製のドアに寄りかかり、うとうとと舟を漕いでいた。
2006年9月25日。東京都渋谷区の天気は晴れ、最高気温は25度近いそうだ。
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赤い祝福
乾ききった霞ヶ関から、丸ノ内線で新宿まで寄り道。二〇〇七年も十二月の街はクリスマスムード。
諏訪はこの雰囲気が嫌いではない。
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池袋乙女ロード殺人事件
池袋で見つかった変死体。
判は部下の諏訪・神成を連れ捜査を開始する。
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