アクア

雫集め

彼女がいつから白夜にいたのか、タクミは覚えていない。
生まれてはいたはずなのだが、もの心つくほど大きくはなかった。ともかくも彼女はいつも、遠慮がちにタクミの家族の傍にいた。

彼の名前は蒼炎の

アイクはそれなりにそれなりの経験をして、テリウス大陸を旅立ったはずだった。
女神の力で他の大陸を失い、海にぽっかりと浮かぶ最後の島々。それにさえ、知らなかった砂漠の向こうの国が存在したように、この遠い世界も傭兵砦で剣を振るうだけだった幼いアイクには想像もできなかった。