文体練習(61~70)

『文体練習』レーモン・クノー 著・朝比奈浩治 訳
 バスの中で起こった出来事を99通りの文体で書いた本。

 この本の真似をして、(ほぼ)毎日一題文体の練習……というより実験をしていく企画です。

 

61 漸増方式による文字の置き換え  2022/12/29

 の日、ある秋進路指侑志は導室で大学案んでい内を読た。
 そ沢がやこへ井て、警ってき用試験察官採取る。
 の本をを目指警察官すのかは問い、と侑志お互い果てはだなと公務員笑う井沢は。

【感想】
 お手本の順番が
 467 123 111213 8910
 だったので、同じように並び替えた。
 正直これが何の練習になるのかはわからないが、暗号文でも作りたくなったときに役立つかもしれない。

 

62 漸増方式による文節の置き換え  2022/12/31

 秋のある侑志は日、大学案内を進路指導室でいた読んで。 
 井沢がそこへきてやって、本を警察官採用試験の取る。
 目指すのかと警察官を問い、侑志はお互い果ては井沢は公務員だなと笑う。

【感想】
 214365

 

63 古典的  2023/01/02

 同輩もすなる情報収集といふものを、侑志もしてみむとてするなり。
 それの年の神無月の七日の辰の時に門出す。そのよしいさゝかものにかきつく。
 ある人高校生の二年三年はてゝ例のことゞも皆しをへて、卒業証書など取りて学ぶたちより出でゝ試験に挑むべき所へわたる。
 かれこれ知る知らぬおくりす。年ごろよく具しつる人々なむ、わかれ難く思ひてその日頻にとかくしつゝのゝしるうちに桜散りぬ。

【感想】
 お手本が『枕草子』だったので、違うのを使おうと思って『土佐日記』風。
 青空文庫を参考にしています
 https://www.aozora.gr.jp/cards/000155/files/832_16016.html
 古語辞典久しぶりに開いた

 

64 集合論  2023/01/03

 十月七日の朝の高葉ヶ丘高校の校舎において、既に登校している生徒全体を集合Aとし、まだ登校していない生徒全体を集合Dとする。
 登校している途中の生徒の集合はPである。
 欠席する生徒をCとすれば、CはDの部分集合である。

【感想】
 数学できないマンなので泣きながら書いた
 お手本は和集合や空集合の証明まで踏み込んでいたが、わからないので諦めた

 

65 定義  2023/01/06

 小高くなった土地に背の高い木々が茂っていたことから高葉ヶ丘と名付けられた土地に建つ、中学校卒業者に高等普通教育および専門教育を施すことを目的とする学校の、地上から数えて三つ目の層にある、部屋と部屋を繋ぐための細長い通路の先に、将来進むべき道を教え導くための仕切られた空間。
 学校・会社など、一定の集団や団体に属する人が着るように定められている服に身を包んだ背の高い年少の男子が、学術の中心として広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究することなどを目的とする高等教育の中核をなす教育機関の情報を記載した書籍を読んでいる。
 黒地で詰襟の主に男子学生の着用する服の年若い生徒がやってきて、日本国民の生命・身体・財産の保護、犯罪の予防・捜査、被疑者の逮捕、交通の取り締まりおよび公安の維持を目的とする行政機関に関連する本を読み始める。

【感想】
 どこまで広げるか大変で時間がかかってしまった。結局力尽きている
 言葉の定義はgoo辞書を参考にしました
 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/

 

66 短歌  2023/01/07

 こころざす同じ定義と別の道 中天めざす陽を浴びながら

【感想】
 この字数でバシッと決められたらカッコいいな!
 と思うのだが、つい前後の説明を書きたいし会話文も書きたい欲張りマンなので短歌に向いていないのであった。

 

67 自由詩  2023/01/08


 ブラインドがスライスした朝陽
 進路指導室は秋に翳る

 日没までに少年は知りたい
 ひととき瞬いた夢は
 明日を焚べるに足る現か

 いずれ了えるのだ
 少年であることも 少年たちでいることも

 日の出までに少年は知るだろう
 ひととき憧れた夢の先が
 明日にも命絶えんばかりの煉獄と
 地獄にある友を感じながら 迷い子を地上に戻すだけの
 意味も価値も朽ち果てた務めだと

 一滴の希望に生かされる永遠の欺瞞
 


【感想】
 詩は難しい……とか言うと小説が簡単みたいだけど全然そんなことはない
 何かを書くことはなんでも難しい! それに向き合って書いてる人みんながんばりやさん! わたしもがんばりやさん!! 自分で言っていくスタイル

 

68 平行移動  2023/01/13

 アザミの神話しどけない使途。
 嘲する隔離の小脳、襟裳岬はアーケシュフース城。台傘杏仁を夜目でいる。
 ドゥアラがビラク。べとべとの商品が、誘導体と夜更かししてチャガタイハン国。
 意地はケイマンブラック島。友于はキョーガ湖。鳩は尾高型小梅鸚哥。


【感想】
 お手本は恐らく、「元の言葉を辞書で引いたとき、音が一致しておらずかつ元の言葉を含まない、次にくる見出し語」を使っているのかな?
 実は紙の国語辞典がない(古語・漢語、外国語しかない)ので、ちょっと面倒だった。
 途中で飽きて地名を集めるのが楽しくなってしまっている。

 

69 リポグラム  2023/01/14

 朝、中等より進んだ教育をする学び舎。
 廊下の奥にある行先を考えるのに最適な部屋で、背の高い生徒が一人、大学案内を読んでいる。
 ドアを開けて、別の背の低い生徒が入ってくる。
 優等生と茶化すが、背の高い方は相手にせず。
 小さい方が警察官を採用するための問題の、以前出されたものを手に取る。
 大きい方が、警官を目指すのかと尋ねる。
 小さい方が、お互い公のための務めにつくのだなと言って笑う。


【感想】
 リポグラムとは「特定の文字を使わないという制約のもとに文章を書く、もしくはすでに書かれた文章から特定の文字を抜き去って改作するというもの」(weblio辞書より https://www.weblio.jp/content/%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0
 今回のベース文章は「こ」と「し」が多そうなので、その二文字を抜くのに挑戦してみた。
 特に「し」がキツかった。「しんろしどうしつ」ぐらいはともかく、「しょうねん」「だんし」「しけん」「しごと」「しょくぎょう」「~して」「~しない」辺りが……。
 こうやって封じられると、自分が頼りがちな言葉がよくわかる。

 

70 英語かぶれ  2023/01/15

 あるオータムのモーニング、ハイリーフヒルハイスクール。
 フューチャーロードティーチングルームで、ブラウンヘアのボーイがユニバーシティーガイドブックをスタンディングのままリーディング。
 ブラックヘアのボーイがドアをオープンしてカムイン、ブラウンボーイをエリートイコールライフとビカムティー。
 ブラックボーイはオールドデイズのポリスマンテストをピッキング、ブラウンボーイがブラックボーイにアスキングは、アーユーポリスマンアイズフィンガー?
 フューチャーデイズ、マンらはパブリックフラットナッシングアイアムなガバメントドッグスでベリーハードワーキング。

【感想】
『100カノ』の118話(ナディー語テスト回)を見ながら書いた。あのクオリティにはバーニングブレイドをセットしてもノットリーチデース
 あくまで「英語かぶれ」なので文法的な正しさにこだわらないようにした

 

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