文体練習(81~90)

『文体練習』レーモン・クノー 著・朝比奈浩治 訳
 バスの中で起こった出来事を99通りの文体で書いた本。

 この本の真似をして、(ほぼ)毎日一題文体の練習……というより実験をしていく企画です。

 

81 ちんぷん漢文  2023/02/07

 侑志想成为老师
 井沢想成为警官
 彼曰我们公务员 
 其明天诅咒互相

【感想】
 一週間空いてる……? なんで……? わたし1週間何してた……?(日記も1週間空いている謎の虚無)
 漢詩の決まりや押韻など詳しいことはわからないのでそのままにしている。

 

82 聞き違い  2023/02/08

 たかだがモカ方向、傘のインド美童椅子。
 爆弾を着た従士が、在学番台を込んでいる。
 ボアが売店、尾田輪が充実してきて、乳糖性と着火す。
 ギザ歯は併殺館肺葉意見のバカモンを毛に取り、ペリカンも目立つのかと空気が訊く。
 貴様は、わてはオカタイ屏風人やなとがなっていた。

【感想】
 ペリカンは目立つだろ

 

83 いんちき関西弁  2023/02/09

 高葉ヶ丘ゆう高校の三階の廊下右にガーーーーーーいったとこにある進路指導室っちゅう部屋になァ、朝も早うからなんやボンがおりましてな。
 そん髪がまぁ、阪急電車か! ゆーぐらい赤うて、朝陽にギンギラギンに照ってますんや。どこがさりげないんやっちゅーてな。
 そんで新しい小さいのんが入ってきてな、それがまぁ間違うて踏んだらプチっと死ぬんちゃうかちゅうぐらいチビっこいんやけど、その小っこいのが「おうなんやまたすかした面しよってからに」いうて入っていきよって、阪急は「やかましいアホ死ね」いうて相手にせぇへんねん。
 何の話やったっけ、まぁええわ。

【感想】
 82の最後がいんちき関西弁で終わってんのにこんなことある???
 オチの付け方がわからなくて投げてしまった。

 

84 イギリス人のために  2023/02/10

R.Arthur, Tucker bag ago car Coke oh no shin law shit! Do shit! Two.
You see ware die gack an nine, wow, me tea tang.
E.Sauer guts zoo it tea kitty chat cashew, “Yo! You tall, say!”
You sea ware CO hang know.
“Cake an knee nan death car?”
“Oh, tag guy comb in death show!”

【感想】
 Cow you know, die ski.

 

85 子音交換  2023/02/12

 ある朝、酒場ヶ丘登校の沈路指導室で、夢生氏が矢井学案内をぢていた。
 矛に井沢が際ってきて、「よう中等生」とやかす。
 併殺短径の根を毛にした井沢に通史が谷津ねる。
「明察官をけざすのか?」
 井沢がウィニカルに攫う。
「糧はお互い法務員だな」

【感想】
 酒場ヶ丘登校はだいぶまずいな

 

86 植物学  2023/02/17

 高葉ヶ丘高校で栽培されている若木は、支柱を探して温室に枝を伸ばし、苗木の中に咲かすべき花を見つけようとしている。
 力強い雑草が土から顔を出す。若木の根をかすめて葉を茂らす。
 若木が揺れて木漏れ日を落とす。雑草のかたちに影が生まれる。
 結局のところ太陽はひとつで、同じ光を共に浴びていくしかないのだ。

【感想】
 植物はわからんなぁ

 

87 医学  2023/02/18

 不確定な事象を過度に恐れる思春期という病に侵された少年は、病院のカタログを神経質にめくっている。
 彼が希望するところに転院できるかは、診断結果と紹介状次第だ。
 別の患者が入ってくる。先天性の呪いに蝕まれた少年は、信仰による透析で定期的に憎悪を除去しなければならない。
「よぉ健康体」
 思ってもいない言葉で他人を皮肉るのは一種の虚言癖と言ってもよかった。
 空虚なあてこすりを意に介さないのは一種の無痛症かもしれなかった。
 小児科医を志す少年が問う。
「検査技師を目指すのか?」
「お互い病院勤務だな」
 呪われた少年は顔面けいれんを起こした。
 彼らはあと一年余りで強制的に退院することになる。静脈から人工の希望を点滴注射されながら、スタンドを引きずって街をさまよい歩くのだ。

 
【感想】
 医学はもっとわからんなぁ

 

88 罵倒体  2023/02/19

 暑くも寒くもないクソ中途半端な季節、進路指導室とかいう恩着せがましい名前のボロ部屋に、意味もなくバカほど育ったウドの大木が入ってきた。
 そいつは汚らしく散らばった本を嫌味ったらしく並べ直し、誰が見ているわけでもないのにスカそた顔で大学案内なんぞを読み始める。
「よぉ、優等生」
 癇に障る口調のチビがバカ面をさらす。デカブツはアホ面でシカトをこく。
 バカ面がポリ公の本を持つ。アホ面がアホ丸出しの質問をする。
 バカ面はニチャニチャと気色悪く笑っている。

【感想】
「42 俗悪体」っていうのがもうあるんだわ
 井沢はこの文体練習で何度も「チビ」「小さい」と呼ばれているのですが、この時点では171cmなので平均値なんですよね 侑志(184cm)がデカいだけ

 

89 食べ物  2023/02/20

 作り途中のキャラメルみたいな茶髪の少年が、ピスタチオ入りの生クリームをたっぷり塗りつけたケーキに入っていく。
 種類豊富なクッキー缶を開いて、どれを食べようか迷っている。
 さやごと束ねたバニラビーンズみたいな黒髪の少年が、ハッカ飴の詰まった箱を引っ張り出す。
「ミントシロップでも作るのか?」
 水の入ったキャラメルがはねる。さやに斜めに切れ目が入って、バニラビーンズがバラバラこぼれる。
「どのみち戸棚か食卓の上だよ」

【感想】
 お腹すいたよォ

 

90 動物  2023/02/21


 都立公園で、毛並みのいいゴールデンレトリバーが花壇の周りをうろついている。
 色とりどりの花を鼻先でふいふい突っついている。
 ミニチュア・ピンシャーが走り込んできて、脇目もふらずに青い花を一輪むしり取っていく。
 レトリバーはまだどの花がいいか迷っている。同じ土に植わっている以上、どれを選ぼうと大差はないのに。
 レトリバーは結局花を摘まなかった。今日のところは落葉ひとひらを土産に決めたようだ。
 無為に駆け回るのは品がないとばかり、芝生を踏み踏み歩いてくる。

【感想】
 この時点での井沢は別に小さくないよ、と繰り返しておいてなんだけど、イメージ的には小型犬のままなんだよな……
 侑志は血統のよい大型犬のイメージ(褒めてはいない) 恵まれてるがゆえの鈍感

 

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