マークス

誰の背を見て

寝耳に水どころか寝所に火矢を放たれたようだった。
「サクラ、マークス王子。タクミとエリーゼ王女は何も知らない。我々にそうしたように、二人にも自分たちで説明をしてやれ」
「は、い。……リョウマ兄様」

お味はいかが

「そりゃあマークス様が悪いですよ」
思案するマークスに、ラズワルドが頬杖をつきながら言った。
「完全に作戦ミスですよ。マークス様って本当に根っからのオウジサマですよねー」

君に手を叩く

ラズワルドはいきなり膝から崩れ落ちた。
とっさのことで受け止めきれず、マークスは座り込むようにして、ラズワルドの身体が床に叩きつけられるのを防いだ。