星乃一歌

標星

病院の廊下は中学校の廊下よりも広く長く冴え渡っていた。
一点の汚れも許さない冷たさに気後れしながら、一歌は財布を握りしめる。
たった十数メートルを躊躇させるような潔癖な箱に、どうして咲希ばかり閉じ込められてしまうのかと考えるだけで俯きがちになる。