短歌 ー夜ー

熱帯夜スキップばかりのウォークマン ふいに染み入る帝国少女
 

四文字の口癖が持つ本気さは不規則に満ち欠け満ちる月
 

ああ今日も充実してたはずの脳 夜は搔き出し食い散らしてく
 

眠たいと寝たいが寝るにならぬバグ どこのサポセンかけたらいいの

 

両方の親指で首を長押ししスリープモードにならんものかね

 

慰めてくれない歌に絆されるありふれた夜ありふれたわたし
 

血みどろのロックの歌詞を「まるで俺」って五文字で盗るの キレイな手だね

 

十時まで人間だった 夜中には自壊していく怪物になる
 

からっぽを数え上げてくだけの夜 泣くなよ何の資格があって
 

うきうきと旅支度した二時間後 検索履歴確実な最期

 

短歌トップへ

 

サイトトップへ