第二章 光が風に舞い遊び - 7/7

SIDE Rethe

 

 

無遠慮な指先

 

 潮風が橙色の耳をくすぐる。レテは欄干に寄りかかる。
 あの後、レテたちは無事船にたどり着き、結果ライを見捨ててしまった。あれを『見捨てる』と言わずして何と言えるだろう。
 乗船を拒もうとした、全身を漆黒の鎧で固めた騎士。ライはその相手を一人で引き受けたのだ。船が動き出して、レテはたまらず身を乗り出し彼の名を叫んだ。彼は顔を上げ、ひらりと手を振って、笑った。まるで、明日も会えるかのような素振りで、またなと言うような身振りで。
 そうしてレテ、たちは、彼を見捨てたのだ。
「レーテーさん!」
 もの思いにふけるレテの腰に、何かががばりと巻きついてきた。
 ヨファだ。レテは舌打ちをしながら少年を剥がした。
「気安く背後に立つな。飛びつくな。私が避けていたら今頃海の藻屑だぞ」
「だってレテさん避けなかったじゃない」
 しれっと言って、ヨファはレテの隣に陣取った。
「ライさんのこと、気にしてるの?」
「気になどしていない」
 とっさに、こんなにも堂々と嘘が吐けるようになっただなんて、随分ベオクに毒されたものだとレテは冤罪を押し付ける。
 ヨファは、レテの返答など頭から無視して、あのねと欄干に背を預けた。
「ぼくに弓を教えてくれた人が言ってた。戦場ではあとに残してきたものを気にするやつから死んでいくって」
「ふん。天才のヨファ殿は、独学で弓を身につけたのではなかったか?」
「いじわるやめてよ。確かにぼくは天才だけど、まるっきり一人でできるはずなんかないじゃない。傭兵団のみんなにはヒミツにしとかないと、怒られるんだよ。だからナイショにしといてね」
 臆面もなく暴露された。レテが呆れ顔で見ていると、ヨファはずるずるとだらしなくしゃがみ込んでいく。その横顔は、歳には不相応なほどの翳りを持っていた。
「だからね、ぼくも後ろは向かないようにしてる。こわいんだ、先を見てないと。そうじゃないと、また弱いぼくに戻っちゃいそうで、こわい」
 立てた両膝に顎を載せて、まだ華奢な肩を震わせている。その姿は、戦場で傲岸なまでに凛々しく振る舞う少年とはかけ離れていて。ああまだ子供なのだ、と今更ながらに思った。
 その子供に諭されているとは、何という無様か。レテはそっと手を持ち上げ、よく妹にしてやったようにヨファの頭をかき回した。
「なにさ」
「いや、なに。お前もなかなかどうして、いっぱしの戦士だと思ってな」
「言ってることとやってることがメチャクチャだよ、レテさん」
 ヨファはレテの手を逃れてぱっと立ち上がると、死なないでよ、と縁起でもないことを言いながら船室に戻っていった。
 レテはため息をつきながら、髪飾りを片方外した。海を背にして、翠の球体を光にかざす。
 なぁ、ライ。お前はちゃんと生きているよな。だってあのとき、またなと手を振っただろう。
 国のことだって心配だし、リィレやキサの面倒だって見てもらわないと困るんだ。
 そうそう、花の世話もしておいてほしい。何より、この髪飾りの借りをまだ返していないんだから。
 約束通りちゃんと着けているから、お前も無事で――。
 と、船体が揺れた拍子に、レテは指を滑らせた。翡翠の玉が甲板を転がっていく。
 レテはあの別れ際のように懸命に手を伸ばし、そして。髪飾りを手にする前に、別の手がそれを拾い上げた。
「あんたのか?」
 アイクだった。何の罪もない少年が、無垢な瞳で問うてきた。
 海を思わせる深い蒼。そのときレテは訳もなく、殴られたような衝撃を受けた。
「触るな!!」
 礼よりも何よりもまずそう叫んでいた。翡翠を奪い返して船室に駆け込む。
 解っていた。少年には何の非もない。ただ善意から拾ってくれたにすぎないと。それでも、触ってほしくなかった。これにだけは触ってほしくなかった。ベオクだから? 否。男だから? 否。――アイクだから?
 知らない、とレテは胸中で喚いた。
 知らない。でもこれは私のものなんだ。私とライのものなんだ。
 レテは壁に左手をつき、右手の髪飾りを胸元で握り締めた。
「どう、して」
 先程振り切ったはずの未練が鎌首をもたげて、身体中に絡みつく。
 どうして、お前はここに居てくれないんだろう、ライ。息をすることがこんなに苦しいなんて、知らなかった。
 

 

 水を飲んで一息ついたら、急に先刻の態度が恥ずかしくなった。
 一言謝ろうと思ったが、アイクがどこにいるのか、レテには見当がつかない。まずいないだろうが、手始めに再び甲板に出てみたところ、予想に反して少年はそこにいた。レテが拒絶の意を示したのとほとんど変わらない位置で、欄干に寄りかかっていた。
 この少年はもしかして、潮風で脳まで錆び付いてしまっているのではないだろうか。
「あ。レテ」
 呑気な声でのたまう。レテはまた怒鳴ってしまいそうな衝動に耐えながら、謝罪の言葉を口にしようと近づく。
「さっきはすまなかった」
 が、それを発したのはアイクの方だった。レテは思わず歩を止めて、少年の顔をまじまじと見る。
「何が?」
「いや、さっきあんた怒ってたじゃないか。俺が大事な物を汚い手で触ったからだろ?」
 どうだ俺にだって解っているんだぞ、と言いたげな態度で言い切られた。
 まぁ、あながち間違ってはいないのだが、それよりも。
「お前に謝られたら私はいつ謝っていいか分からなくなるじゃないか!」
 レテは全身の毛を逆立てた。アイクは不本意そうな顔をしている。
 はっと我に返り、レテは間を持たせようと毛づくろいをした。こんなやり取りを繰り返していては埒が明かない。さっさと用件を済ましてしまわねば。
「悪かったのは私だ。せっかく拾ってもらったものを、怒鳴ったりしてすまなかった」
「そうか」
 アイクは正体不明の相槌を打って、それでよしとしたようだった。
 このままここに留まるのも気まずいし、かといって言い逃げのような真似をするのもどうかとレテが少し迷っているうちに、アイクが改めて口を開く。
「それ、ライからもらったのか?」
「ん? ああ。あいつは部下だの色んな女だのに、土産物を配って歩く奇癖がある」
 レテは着け直した髪飾りに触れる。言葉はすらりと出てきた。レテはどちらにも該当するから、気紛れに選ばれたにすぎない。そのことに何ら引っかかるところはなかった。
 だがアイクは何故か眉をひそめる。
「奇癖ってことはないだろう。ライなりの気遣いじゃないのか?」
「まぁ、言葉だけ聞けばな。実際は相手の都合もお構いなしの、無差別攻撃みたいなものだ」
「だってあんたは、それを気に入ってるんだろう」
 今度はレテが眉をひそめた。何故そうもライの擁護をしたがるのか、分からない。
「その質問の意図が分からない。何が言いたいんだ?」
「――いや。俺にも分からん。すまん」
 アイクは空を仰いだ。
 全く何を考えているか分からない少年だ。レテは大袈裟にため息をつく。
「そういえばさっきミストが騒いでいてな」
「話が飛んだな」
「クラゲがいた。なんかぶよぶよして気持ちの悪いやつだったな」
「クラゲ?」
 しかしその訳の分からない話に、不覚にも反応してしまった。アイクの視線がレテに戻る。
「知らないのか?」
「文献で読んだことはある。実物を見たことはない」
 レテがむっとして、だが正直に話すと、アイクは身体を反転させて下を指差した。
「まだいる」
 好奇心に抗えずアイクの隣に並ぶ。船底の辺りに、半透明の膜のようなものが幾重にも集まって漂っている。
 あれが、クラゲ。未知の生物に思わず見入る。と、アイクがクラゲではなく自分を見つめていることに気付いて、レテは顔を熱くする。精一杯の抗議で怒鳴る。
「何だ一体!」
「いや。あんたでも知らないことがあるんだな、と」
 アイクは大真面目だ。馬鹿にしているのか、と言ったら、そうじゃない、と返された。
「ただ、あんたは何でも知ってるから。一緒に初めての何かを見られたのが、なんというか」
 レテは耳を疑った。この少年は何か、信じられないような言葉を口にしなかったか?
 かぶりを振る。いい。聞かなかったことにしよう。自分は何も聞かなかった。
「ベグニオンに入れば私もお前も初めてだらけだ。いちいち驚いていては身がもたんぞ」
「ああ。心しておく」
 アイクの意識はまたクラゲの方にある。あまり下ばかり向いていて船酔いしなければいいが、と思いながらレテはきびすを返す。
 船室に戻るとき、潮風に吹かれっぱなしの少年が、盛大にくしゃみをするのが聞こえた。
 

 

 
「散るな! 背中を見せるんじゃない!!」
 アイクの怒鳴り声を聞きながら、レテは自分の不注意を呪う。
 クリミアを出てから随分日が経つ。航海は順調のはずだった。しかし、それもこの海域までのこと。
 フェニキス・キルヴァス――鳥翼族の治める両国は、『船を持たぬ海賊』として自国の近辺を通過しようとする船に襲い掛かることがあった。フェニキスのそれはある事件に対する抗議行動だとは聞くが、後者は事情が全く別である。
 純粋なる海賊行為。略奪。痩せた土地に棲まうカラスの民は、大義ではなく富の為に他者を襲う。
「焦らず各個撃破だ、絶対に単騎になるな!!」
 アイクがああして、ベオクをまとめてくれているのは、レテにとっても助かることだった。彼らが比較的安全に戦ってくれれば、こちらも遊撃に徹することが出来るというものだ。
 一羽目は難なく撃破。だが二羽目に少し手間取り、三羽目のカラスを斃したところで、レテの輪郭はゆらりと歪んだ。一瞬ひとの肌が空気に晒される。これ以上の化身は無理と判じ、手近にいたアイクに背中を預けてひとに戻った。
 
「無事か?」
 問うと、何とかな、とあまり芳しくない返事が返ってきた。きっと眉間のしわはいつもより深いだろう。
「レテ、あんた、残りがどれくらいか分かるか?」
 気の短い団長殿のことだ、そろそろ気付いたのかもしれない。この、倒せども楽にならない戦いの理由について。
 レテは前髪をかき上げる。
「目視出来る範囲で六。案外あの岩陰にでも潜んでいるのかも知れんな。何体か倒した筈だが、総数が減らん」
「嫌な展開だな」
「更に嫌な展開が待っているんだが、聞きたいか?」
 レテは肩をすくめた。アイクは口ごもり、一旦カラスをかわしてから、嫌でも聞かなきゃならないんだろうそれは、と自棄くそ気味に叫んだ。察しがよくて助かる、とレテは空を仰ぐ。
「先程、正体不明の兵が船に接近。マーシャと交戦に入った」
 マーシャと、赤い鎧の竜騎士がもみ合いながら上昇していく。そこから先は厚い雲の中で、無論獣牙族の視力をもってしても見えない。
「マーシャは船を巻き込まないよう離れたようだな」
「そんなことをしたら、カラスに嬲り殺されるぞ!」
「私に言われても困る。せいぜい無事を祈るのだな」
 レテは腰のポーチから宝石を取り出した。化身の石と呼ばれる代物で、ヒト状態のラグズを化身状態に強制移行、というよりも反転に近い速度で変化させる。本来、化身は本人に充分な体力が残っていなければ出来ないが、この石があれば死の淵にあるラグズでも一瞬で転じてしまう。
 朱色の鉱石。一説には、大地が吸ったラグズたちの血潮が結晶化したものだ、とも言われている。要するにこの石は便利な一品などではなく、限りなく呪いに近いモノなのだ。
 それを承知でレテが取り出したのは、勿論愛でる為などではない。ただ使いどころを見究めなければいけない。慎重に。
 一際大きい天馬の羽音がした。マーシャが船まで戻ったのだろう。背を向けているので表情までは読めないが、困惑しているのは声で分かる。
「アイクさん、あの、何故かデインの騎士が一人ついてきていて……ラグズの横暴を見過ごせないから、休戦を申し込みたいって」
「何も言い直してやる必要はあるまい」
 レテは赤い宝石を投げ上げ、右手首を捻って手の平に納めた。
「半獣と、そう言ったのだろう。あの竜騎士は」
「あ……は、はい」
 ベグニオンの騎士は素直にそう言った。
 竜騎兵、といえば今やデインのシンボルだ。連中がお上品な言葉を使うとは思えない。そう思ったから指摘したまでだ。
 だがそれが、あの言葉に敏感な少年に火をつけてしまった。
「俺たちはラグズを『半獣』呼ばわりする奴と手は組まない! そう伝えろ!!」
「ええ~……困ったな~……」
 哀れマーシャは、交渉決裂の意を伝える為に、再び空に舞い上がったのであった。
 ややあって、アイクが胡乱げに訊いてくる。
「レテ。まさかあんた、俺にああ言わせる為にわざと挑発したのか?」
 濡れ衣も甚だしい。しかし、この少年が相変わらず、諦めず律義に怒ってくれることに感謝し、さぁなと濁しておくだけにした。
 上を見る。空が俄かに汚されていく。
「さて。一、二、三、四……親玉も出てきた。そろそろ頭打ちだろう。一斉に来るぞ」
「え?」
 アイクは一瞬間の抜けた声を上げたが、流石、勘のよさは一級品で、即座にこう号令をかけたのだった。
「総員、備えろ――!!」
 レテは宝石を握り締める。途端、石から放たれた光は右手の平から全身へ浸食した。骨が軋む。筋肉が引き攣る。神経が裂けそうだ。焼きごてでもあてられた方がまだマシかもしれない。熱い。熱い熱い熱い熱い熱い。
 崩壊しそうな理性を鋼の意志で押し固め、彼女は跳ぶ。
 標的からは、アイクの身体があるおかげで死角だった。
 バカナ、と啼くカラスの右翼に喰らいつき、爪と牙で引き裂く。
 イタイ、イタイヤメロカエシテ、ヤメテ。
 レテは着地する。血飛沫が上がる。
 イタイタイタイタイタイ、カエシテオレノ、オレノツバサ、カエシ……。
 彼が希うものを海へと投げ捨て、レテは別のカラスに狙いを定める。
 半化身の腕輪を所持する親玉を探し出したかったが、こう視界が悪くては仕方がない。見つけた端から狩っていくしかないだろう。
 鉤爪が襲い掛かる。猫がかわす。
 貴様ラ、何故【ニンゲン】ヲカバウ。
 貴様ラニ与スルヨリ、ヨホド誇リ高イカラダ。
 
 猫の爪が斬り掛かる。翼がよける。
 カラスヨ。盗人ニマデ堕チタカ、【ラグズ】ノ面汚シメ。
 何ヲ言ウ、裏切リ者ノ化ケ猫風情ガ――ァッ!?
 喉笛を噛み潰したので、カラスの鳴き声は止んだ。
 さぁ次だ。早く次のカラスを追い払ってしまわなくては。早く。次を。次を……。
「あ――?」
 おかしい。汗をかいている。化身しているときは、足裏しか発汗しないはずなのに。それにこの声、化身時の声帯から出る音ではない。
 化身が解けかけている。両手をついているのは、最早それが前脚だからなのではなく。
(強制化身の反動が、こんなに早く……!!)
 訓練で使ったときはこんなに消耗しなかったのに。
 カラスめ、腐ってもラグズか、と胸中で毒づいて、レテは意識を失った。
 

 

「……気が付かれましたか?」
 目を覚ますと船室にいた。横たわるレテの傍らには、エリンシア姫が微笑んで座っている。
「私は――!?」
「あ、ダメです! ちゃんと寝ていないと」
 跳ね起きた弾みに額から何かが落ちた。エリンシアが拾ってくれたのは濡れた布だった。
 レテは鈍器で殴られたように痛む頭を押さえながら、私は、と呻く。
「私は、戦の半ばで倒れたのですね」
 失態を埋めるどころか上塗りをした。戦で失神するなど、怯懦にも劣る。
 歯噛みするレテの肩にそっと触れながら、いいえ、とエリンシアは首を横に振った。
「レテ様は、アイク様が敵将を討ち取った直後、それを見届けたようにお倒れになったそうです。貴女はご自分の務めを果たされました」
 ですから安心してお休みになってください、とエリンシアは優しくレテの身体を横たえる。
 レテの喉からひとつ、空咳のような乾いた笑いが漏れた。
「アイクが。あいつは将の首を取ってばかりだ、よほど他人に武勲を渡したくないらしい」
「大事なことはご自分でなさろうとする方ですから。レテ様と同じに」
 エリンシアは布を絞り直して、レテの前髪をやわらかく除けると、額に載せてくれた。
「ありがとうございます。姫」
 謝辞を述べると、何故かエリンシアの顔が歪んだ。レテの近くのシーツを握り締めて、切れ切れに言う。
「お礼を言うのは、私の方で――皆様が命を懸けて守ってくださってるのに、わたし、こんなことしか、出来な――」
 レテの熱い頬の上を、あたたかい涙が滑り落ちていく。王女の流す涙が、注がれる。
「貴女はそれでいい」
 レテはゆっくりと腕を上げ、王女のまなじりを拭った。美しい琥珀色の瞳が見開かれる。
「貴女はクリミアの民のとって、かけがえのない希望です。決して失われてはならない。我々ガリアの民も、その姿を胸に抱けばこそ戦える」
 だから我々を想うのなら、貴女は笑いなさい――。
 レテの言葉に、エリンシアは潤んだ瞳のまま頷き、微笑んだ。レテもつられて笑みをこぼす。
 王女の笑顔は、クリミアの騎士たちが忠誠を誓うに値する、貴きものだった。
「飲み水を取ってきますね」
「お願いします」
 部屋を出て行ったエリンシアとほとんど入れ違いに、アイクが入ってきた。敵軍の将を討ち取ったというのに、相変わらず辛気臭い顔だ。
「身体、大丈夫か」
 問われ、レテは身を起こさず答える。
「問題ない。些か暑いぐらいのものだ。大騒ぎするほどのことでもない」
「それでも、あの魔法の石はあんたに負担をかけるんだろう」
 モゥディに聞いたのか。全くお喋りな奴だ。
 レテが内心で悪態をついていると、アイクはその隙にあろうことか、身を乗り出してレテの頬に触れていた。
「な、な、あ」
 怒鳴り出しそうになるのを、すんでのところで堪える。正直そんなに快復してはいなかったし、何より、目の前の蒼が深すぎたから。
 搦めとられていく。溺れていく。ぼんやりと感じる。この海は何と痛々しく、悲しい――。
「もう、させないから」
 理解不能な言葉が脳の中を漂う。
 触れられた箇所から、じわりじわりと熱が上がっていくのが、分かった。

 

 

To SIDE Ike

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