水幻の色
一面の海原はガリアからベグニオンへ向かった船旅を思い出させた。
潮風の匂いだとてそう違いはないのに、この場所は女神の作り賜うた土地とは遠く切り離された『異界』なのだそうだ。波に揺れる足下はどこにもまして頼りない。
FE テリウス ヒーローズアイク,アイク×レテ,ヒーローズ,レテ
大地に満ちる蒼穹よ気付け
女神との戦いからしばし時が経ち、各国が落ち着きを取り戻した頃、カイネギス王は正式に禅譲を表明された。
今や立派に成長したスクリミルの即位に反対する声もなく、現在ガリアは国を挙げて式典の準備を行っていた。我々軍人も例外ではない。
FE テリウスアイク,アイク×レテ,レテ,暁の女神
汝は我らを導く者ぞ
「……不満そうだな?」
レテが呼びかけると、アイクは難しい顔で振り向いた。
「不満なんじゃない。腑に落ちない。何で俺なんだ?」
「ライにも言われたのだろう?ラグズとベオクが組む時点で、将軍はお前しかいないのだと」
FE テリウスアイク,アイク×レテ,レテ,暁の女神
その国の翼
緑の髪の少女が、眩しそうに天を見上げていた。ベグニオン王宮に留まっている彼女は、雇った傭兵団の留守中、神使に呼ばれていないときはああして中庭で空を見ている。
「どうかなさいまして? エリンシア姫」
「シグルーン様」
FE テリウスエリンシア,シグルーン,暁の女神
君は無辜の林檎
若竹色の髪がふと揺れる。かなりの長身で、虎ほどではないが肉付きのいい体格をしていた。
しかし無駄がない。只者ではないことは一目で分かる。
FE テリウスアイク,ソーンバルケ,モゥディ,レテ,暁の女神
雪の日の掌
「ええと……あなた、グレイル傭兵団の射手よね?」
ミカヤの声に少年は振り向いた。揺れる若草色の髪。顔立ちは間近で見ると、思った以上に幼い。
FE テリウスミカヤ,ヨファ,暁の女神
きみが嫌い
敵陣に見つけたのは、見知ったと言うには大分様変わりしてしまったけれど、見覚えのある面影。
「サザ?」
「ヨファ、か?」
FE テリウスサザ,ヨファ,暁の女神
途上
「ペレアス王」
ライが呼びかけると、彼は夜に紛れるような藍色の髪を揺らし、振り返った。
「冷えますよ。王」
FE テリウスペレアス,ライ,暁の女神
故は運命に非ず
「レテ」
彼女はそう呼びかけて、レテの許へと歩いてきた。翳のある微笑み。
こちらの陣営に彼女がいるというのはまるで自然な風景で、その実道理としては少しおかしいようで。
「……ジル」
FE テリウスジル,レテ,暁の女神
運命に訊け
ラグズ連合軍はベグニオンからの撤退を決意した。渡河作戦の途中、思いがけず立ち塞がったのは……見知った顔。
「初めて逢ったとき、私とお前は敵同士だった」
FE テリウスサザ,ジル,ミカヤ,レテ,暁の女神
月と猫とお人好し
「ねぇ。あたしって可愛いよねぇ?」
「自分で言うな」
「シノンには訊いてないもん!」
FE テリウスガトリー,シノン,リィレ,暁の女神
「必要がなくても、して」(台詞お題)
「必要がなくても、して」
ティアマトの口調は珍しく横柄だった。普段はそうする者をたしなめる側なのに、今日はまた随分と。
FE テリウスセネリオ,ティアマト,ライ,蒼炎の軌跡