比屋定真帆

仮想彼岸のフローラルトリビュート

神成岳志は、黒いスーツに黒いネクタイで、その場所を歩いていた。
遮るもののない陽射し。石の照り返し。樒の緑。線香の匂い。腕の中には七本の白いキクを束ねた包み。