青い首輪をいつ外す
二〇一八年の六月上旬、渋谷のビアガーデン。
神成は『パリピ』や『陽キャ』、『リア充』などの表現を他人に用いたことはないが、周囲の客席は他にどう呼んだらいいか分からない人種ばかりだった。
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成×久野里,神成岳志
ブルーブルー・ビリジアン
久野里澪から、日本にいるので面を貸せと電話があったのは、二〇一七年の暑い盛りの朝だった。
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成×久野里,神成岳志
流行おくれのおにいちゃん
「根強いガラケーユーザーは未だに結構いるんだからな」
「グダグダ言ってないで機種変しろよ! 物に愛着を持つのも結構だが大概にしろ、いつか繋がりもしないガラクタ抱えて現場に行くつもりか!?」
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成×久野里,神成岳志
いつも少しだけ不自由
「恋人かと訊かれた。ここの警官は不躾だな」
「人相を教えろ。あとで誤解だと重々言い聞かせておく」
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成岳志
みかんを食べたら帰ります
『こたつ要るか? こないだストーブの電熱線切れたとかって聞いたから。要るなら持って行こうかなと』
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成岳志
だいぶおかしな僕と君
「なんか、甘い匂いがするな」
「あ? タイムスリップでもしてきたのかあんた。エキナカのスイーツなんて今日び珍しくもないだろう」
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成岳志
ささいなささいな古い癖
「あ、久野里さん。火ィあるか?」
フリージアの応接間で百瀬の帰りを待っていた神成は、入ってきた別の女性を見るなりそう口にしてしまった。
「私は、未成年、ですよ。『有能な』刑事さん」
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成岳志
The Catcher in the Crazy City
「――キミもよくよく物好きだねぇ。もう何の義理もないだろうに、そんなに律儀に僕を捜して」
背後から、人を食ったような声がする。幻聴ではない。神成はこの声に聞き覚えがある。ずっと捜していた、一方で見つかりそうにないと思っていた男。
科学ADVCHAOS;CHILD,久野里澪,神成岳志
廻るペルソナ
二〇〇九年九月、残暑も厳しいある夜のこと。
警視庁捜査一課の神成は、上司である警部補・判安二に『暑気払いに飲みに行こう』と声をかけられた。あの判安二に、だ。
科学ADVCHAOS;CHILD,CHAOS;HEAD,神成岳志,諏訪護
池袋乙女ロード殺人事件
池袋で見つかった変死体。
判は部下の諏訪・神成を連れ捜査を開始する。
科学ADVCHAOS;CHILD,CHAOS;HEAD,久野里澪,判安二,神成岳志,諏訪護
非常識なまでに常識的な貴方
「信用調査会社?」
神成岳志は、先輩刑事・判の口にした単語を、不快感も露わに繰り返してしまった。
科学ADVCHAOS;CHILD,CHAOS;HEAD,判安二,神成岳志
昭和生まれの最後らへん
刑事の花形、警視庁捜査一課。
ひとたび事件が発生すれば犯人逮捕に尽力し、華麗に解決――そんなのはドラマの中の話で、実際刑事のオシゴトというものは地味な努力の連続だ。
科学ADVCHAOS;CHILD,CHAOS;HEAD,判安二,神成岳志,諏訪護