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Sweet Sweets

「あっ、こんにち……いらっしゃいませ!」
食堂に入るなり、白夜王国の第二王女であるところのサクラが頭を下げてきた。
レオンは嘆息して腕組みした。

彼の名前は蒼炎の

アイクはそれなりにそれなりの経験をして、テリウス大陸を旅立ったはずだった。
女神の力で他の大陸を失い、海にぽっかりと浮かぶ最後の島々。それにさえ、知らなかった砂漠の向こうの国が存在したように、この遠い世界も傭兵砦で剣を振るうだけだった幼いアイクには想像もできなかった。

うすむらさき

「閉じ込められたみたいね」
ひどく落ち着いた声に、レオンははっと振り向く。
闇に目を凝らしてみると、壁際の木箱の上に、十を少し過ぎた程度の少女が腰かけて、悠然と微笑んでいた。

君に手を叩く

ラズワルドはいきなり膝から崩れ落ちた。
とっさのことで受け止めきれず、マークスは座り込むようにして、ラズワルドの身体が床に叩きつけられるのを防いだ。

甘くて苦い手

「グレイ。どうしたんですか、そんなに慌てて」
「母さん。やっと、あげられるような綺麗なのができたぜ。ほら」
グレイはそっと小箱の蓋を開け、懐紙をどける。サクラは中身を見て、ぱっと顔を華やがせた。

夢見草

「最近サクラ様があんまり笑わない」
夜中に突然叩き起こされたと思ったら……真剣な顔のカザハナを見ながら、明日の行軍のために計算し尽くされた完璧な眠りを妨げられたツバキは言う。