第二章 光が風に舞い遊び
アイクたちの生き方に触れ、ベオクへの憎と彼らへの信頼の間で揺れるレテ。
そんな中、想定外の事態でよき調整役だったライと分断され、レテは自分の責任だけでベオクたちと向き合っていくことを強いられる。
どうしてお前はここに居てくれないんだろう、ライ。『疑うな。信じるな。動じるな』――私には無理だ。私には、難しすぎる。
誰にもこぼせない弱音を見抜いたのは、あの少年の蒼い瞳だった。
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第二章 渡海
ガリアの獣牙族と対等な関係を築こうとするアイクだが、ラグズとベオクの確執は彼の考える以上に深刻だった。
特にレテはベオクへの嫌悪感を露わにし、アイクの差し出した手を拒絶する。
だったら、俺が一人目になろう。あんたの中のベオクが全て、真っ黒に塗り潰されているのなら。
あんたにとって一人目のベオクに、新しく、俺がなろう。
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第一章 そして太陽が目覚めるように
ガリアにやってきた、祖国を焼け出された傭兵団。
レテは親ベオク政策に懐疑的ながら、王の命で彼らの救出に向かう。
そこで出逢った少年の、海のような蒼色と炎のような熱が宿る瞳。
彼はレテから目を逸らそうとしなかった。レテも逸らすことが出来なかった。
視線が交錯するその空間だけ、雨が止んでいるように見えた。
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第一章 開戦
追いかけた背を喪い、壮絶な戦いを強いられるアイク。
迫りくる絶望を切り裂いたのは、陽光のごとき橙の毛色を持った猫だった。
空は暗く。雨は容赦なく身体を叩き、その熱を奪っているというのに。
――長い夜が、明けたような気がしていた。
FE 蒼炎長編_アイクアイク,アイク×レテ,レテ,太陽と手を携えて
きっと家族になりましょう
「おはようございます、オイフェ様」
今朝もラナは、そう言って笑って見せた。言葉を覚えてのち、一日も欠かさずこの子はオイフェに挨拶をする。
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どっちもどっちでおたがいさまで
「お前、いつまで怒ってんだよ!」
「あんたこそ、いつまでそうやってカリカリしてるつもり!?」
ヨハルヴァとパティの言い争い――周囲曰く『痴話ゲンカ』は、もう珍しくもなさすぎて、軍内でも気にする者などすっかりいなくなっていた。
FE ユグドラルパティ,まさカプ,ヨハルヴァ,ヨハルヴァ×パティ,聖戦の系譜
似ているようで、似てないようで
「リーン!」
他人が呼ばれているのに、最初の二音でリーフはつい振り向いてしまった。
新緑色の髪を揺らして少女が苦笑している。
「すみませんでした、リーフ様。紛らわしくて」
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遠すぎる背中
「ラケシス姫は、筋がいいですね。すぐに僕なんか追い越してしまいそうだ」
アゼルが微笑むので、ラケシスは肩をすくめて苦笑した。
「ご謙遜が過ぎますわ。それに私、あまり褒められすぎると張り合いがありませんの。アゼル公子は、もっと至らぬところを叱ってくださってもいいのに」
FE ユグドラルアゼル,アゼル×ラケシス,まさカプ,ラケシス,聖戦の系譜
思い定めた一心の
蒼穹から、雲の欠け落ちるように白馬が降りてくる。
天馬の蹄は、やがて音もなく軽やかに大地を踏む。騎手の鮮やかな緑の髪が、ジャムカの故郷の木々のようにざぁと風に流れた。
FE ユグドラルジャムカ,ジャムカ×フュリー,フュリー,まさカプ,聖戦の系譜
オトナみたいな
「デュー! どうしたの? そんなところ座って」
「シルヴィアさん通るかなと思って待ってたんだ。さっきの戦場での踊りもステキだったからさ。――ねぇチップってこれで足りるのかな!」
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