グレイ

甘くて苦い手

「グレイ。どうしたんですか、そんなに慌てて」
「母さん。やっと、あげられるような綺麗なのができたぜ。ほら」
グレイはそっと小箱の蓋を開け、懐紙をどける。サクラは中身を見て、ぱっと顔を華やがせた。